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☆
翌日。講義を受ける部屋で、フフはアスルが来るのを待っていた。何故だか少し緊張している自分がいる。
しかし、アスルが来ることはなかった。教師がやって来て、講義が始まる。おかしい。何かあったのだろうか。
「寝坊、かな」
結局、講義が終わってもアスルの姿はなかった。どうしたのだろう。もやもやしていると、フフの視界にヨゼが映る。ヨゼなら何か知っているかもしれない。フフは講義室を出ようとするヨゼを追いかけた。
「ヨゼ」
ヨゼが振り返る。ヨゼと一緒に話をしていた教師は、空気を呼んで去っていく。
「どうかした?」
「その、アスルのことなんだけれど。体調でも崩したのかな、なんて」
ああ、と合点がいった様子のヨゼは、頷いた。
「うん。そうだよ。風邪をひいたらしくて、今頃、寮で寝込んでいると思う」
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