プロローグ

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プロローグ

「なぜ私の愛を受け入れないの!?」 優雅な場であるはずの舞踏会に似つかわしくない甲高い声が、王宮の広間に響いた。 透き通るような金髪の青年が静かに答える。「…何度も言うように、あなたは私の継母なのです。ですから…」 その言葉を遮るように女がさらに叫ぶ。「私が何のために王に取り入って王宮に入り込んだと思っているの!全ては美しい王子を手に入れるためだったのに!あの忌々しい前王妃に呪いまでかけて…!」 青年がその言葉に耳を疑い、問い正そうとした時、今まで妖艶な美女の姿だった女から黒い霧のように魔力が溢れ始め、口は大きく裂け真の醜い姿へと変わっていく。舞踏会の来客達は恐れ戦き我先にとドアに群がる。 「その姿は…!!」 「黙れ!!お前が手に入らないのならもうこの国に用はない!私を受け入れなかったお前にこの胸の苦しみを分からせてやる!お前も、お前の兄弟も、子孫も全員!!未来永劫呪われるがいい!」 そして黒い閃光が女の体からほとばしり、王子とその兄弟達の体を包み込んだ…。
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