69人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「お客様いかかです。本日のオマールエビのソテー」
窓ガラスに映る人影がそう話しかけて来た。
「最高だ。天然モノかい」
その声に促されるように振り向くと、武士が大げさなジェスチャーを交えシェフらしき男に応対していた。
「はい、そのように・・・」
シェフらしき男はさも当然といった態度で答えた。
「美味かった。ところでいくらだ」
「はい、30万円になります」
「噂に聞いてはいたが、たっ、高いな・・・」
「お二人分ですから」
「それにしても・・・」
「現金、それとも、クレジットになさいますか・・・」
「それじゃあ、クレジットで」
武士は抗議したい気持ちはヤマヤマであったが、モテない日本男子、美人の前でカッコつけたい気持ちが、それに勝っていた。
最初のコメントを投稿しよう!