1.最高の料理

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「お客様いかかです。本日のオマールエビのソテー」  窓ガラスに映る人影がそう話しかけて来た。 「最高だ。天然モノかい」  その声に促されるように振り向くと、武士が大げさなジェスチャーを交えシェフらしき男に応対していた。 「はい、そのように・・・」 シェフらしき男はさも当然といった態度で答えた。 「美味かった。ところでいくらだ」 「はい、30万円になります」 「噂に聞いてはいたが、たっ、高いな・・・」 「お二人分ですから」 「それにしても・・・」 「現金、それとも、クレジットになさいますか・・・」 「それじゃあ、クレジットで」  武士は抗議したい気持ちはヤマヤマであったが、モテない日本男子、美人の前でカッコつけたい気持ちが、それに勝っていた。
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