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さっきまで微笑んでいたお母さんの顔が、瞬時に強張り、そして目が泳ぐ。
「そ、そんなことを聞いてどうするの……?!」
「だって気になるもの。告白とかしたの? どっちから?」
「そ、それは……」
今までこんな機会はなかったから私の好奇心は止まらず、矢継ぎ早に質問を繰り出してしまう。
「初めてのデートは?」「お父さんのどこに惹かれたの?」「やっぱりプロポーズはお父さんから? どこでどんなふうに?」そう質問する私にお母さんは「あっ……えっと、その……」しか答えてくれない。
そんな中、扉の向こうではお父さんの軽い笑い声が聞こえた気がした。
「もう! あなたったら聞こえているのなら助けてくれてもいいじゃない!」
怒ったお母さんは立ち上がり、扉を勢いよく開ける。
そこにはお父さんが腕組みをしながら口に手を当て、上がる口角を誤魔化している。
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