心を自由に

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心を自由に

お昼前にヒロ子先生のお家を 出発してC市に向かうことにした。 15分程経つと先生が… 『やってるかな〜』と言って 私は訳が分からず どこかに寄るのかな?なんて思った。 『この辺だったよな…』 ……………?? 『里桜…?』 『えっ?どこがですか?』 『えっ…?』 不思議そうに先生を見ると… 先生はビックリしながら笑って 『里桜の、小さい時に通った店だよ。』 あ〜!すっかり忘れていて 先生が覚えていたことに 逆にビックリしてしまった。 『ははっ。何だよ、 帰りに寄ってみようって言っただろ?』 『すっかり…、忘れてた…』 そんなやり取りをしていたら お店に着き暖簾が出ていて やっているようだから入ってみることに。 ーーーカラカラカラ。 まだお昼前で開店したばかりのようだ。 お店の名前は変わっていないと思う。 店内は年季が入っていたし 見覚えのあるテーブルやテレビの 場所も同じだと思った。 『里桜…、どうだ?』 『お店は同じだと思うけど…』 カウンターの中には おじちゃんとおばちゃんの姿はない。 『おじちゃんとおばちゃんはいないみたい…』 ガッカリしていると メニューを聞きに来た あの頃のおばさんよりも若い女の人に 『あっ、すいません。ここのお店は… 以前から同じですか?昔、子供の頃に 通っていたんですが…』 先生が聞いてくれた。 『何年くらい前ですか?』 『あっ、ええっと… 里桜?』 小学校へ入る前だから えっ…、17年も前…。 あの頃50代半ばだったとしても 70代になっている計算となる。 『あの…、17年くらい前です。』 『あぁ!それなら両親がやっていた頃 ですね?5年前から私たちが引き継いだんです。前までは主人の両親がやっていました。』 あぁ…、そうなんだ…。 ちょっとガッカリ おじちゃん達に会いたかったなぁーー。
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