第2章「感情は、密室で交差して」

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コンビニでお酒を買い込んで部屋に戻る。夜中にひとりお酒を飲む内に、一体何をやってんだろうとも思えてくる。 いっしょに買ってきたおつまみのミックスナッツを口に放り込みながら、 「あーあ…復縁して、失敗だったかな…」 口に出して呟くと、よけいに気分が落ち込んで行ってしまいそうで、缶ビールを手にベランダに出た。 「もうちょっと気をつかってくれてもいいと思うんだけど……。そういうところがやだったっていうのに、なんで伝わらないかな……」 ベランダの柵に背中をもたせ掛けて、お酒をぐいっと飲む。 「……鷹騰社長は、私にだって気をつかってくれたのに……」 上の階を見上げて缶を煽ると、またしても彼のことが頭に思い浮かんだ。 「バカみたい……あの人のことばっかり考えて……」 首を伸ばすと最上階の窓には明かりが灯って見えて、彼女さんが言っていたようにやっぱり仕事中なのかなと思う。 前にこんな風に見上げた時にも、『夜中にパソコンなんて開くもんじゃないよな』とか言って、仕事をしていたみたいだったし……。 『……仕事ばっかりよね、あの人って』 不意にさっき聞いた言葉が頭をよぎると、バーでも仕事に追われてるような話をしてたけど、(そんなに仕事ばかりしてるのかな…)と、ぼんやり思った──。
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