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5時に起きて、ダブルベッドの横に眠る夫を起こさない様に気を付けてベッドから抜け出す。
隣の部屋に行き、広いウォークインクローゼットの中で服に着替える。
ドアも静かに閉めて、キッチンに行き、夫のお弁当と朝食作りを開始する。
終わり頃に新聞受けに新聞を取りに行き、夫が座るダイニングテーブルの上に置く。
6時、夫の誠一が寝巻き姿で起きて来る。
「…おはよう…愛子。」
「おはよう!眠そうね?大丈夫?」
誠一は昨夜、新しい取引先との接待という名の飲み会で帰宅は遅かった。
仕事がある愛子は12時を過ぎた時点で先に眠っていた。
「帰って来たの1時近くてさ。風呂入って寝たの2時だよ。」
大きな欠伸をしながら誠一はダイニングテーブルの椅子に座った。
「ご飯食べられそう?お味噌汁だけでも飲んでね。」
誠一の前にご飯とお味噌汁を並べて出す。
「ありがとう。いただきます!」
笑顔で手を合わせ言い、誠一は食事を始めた。
寝室から泣き声がすると、愛子は急いで行こうとするが誠一が椅子から立ち上がり手で止める。
「いい、俺行くよ。」
「ありがとう。」
味噌汁を飲みながら立ち上がり、慌てて寝室に向かう。
以前の結婚の時にはなかった光景で愛子には幸せを感じる瞬間。
直ぐに誠一が2歳の娘を抱いて戻って来る。
「愛実は早起きですねぇ?ご飯食べるか?」
優しい声で娘に話かけて娘専用の椅子に座らせた。
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