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第1話
あの夏。
『お前、本当に女みたいな顔して…気持ち悪いな』
彼は僕にそう言った。
カタカタカタ……
カタカタカタカタ………
薄暗い部屋にパソコンのキーボードを叩く音が響く。
パソコンの前に座る僕は一日をほぼここで過ごす。
高校生の頃、学校で起こったトラブルで僕は学校に行けなくなって……。
高校を辞めて始めたバイト先でもトラブルに巻き込まれた僕は人間不信になって家から出るのが怖くなってしまった。
運動もせず日にも当たらず、不健康な白い肌にガリガリの体型で……一日中パソコンに向かって目も悪いので分厚いメガネをかけた僕はいわゆる人生の落伍者なんだろうか。
外に出て人と関わるのはもう真っ平だ。
僕は一生ここでいい。
パソコンがあれば家でも仕事はできるし。
趣味で始めたデザインの腕が認められて、僕はパソコンで広告デザインの仕事をしている。
引きこもっていた僕を自立させようと両親が家から僕を叩き出して、アパートに一人暮らしをするようになって仕事には困らないのだけれど……。
食事だけは買い物に行かないとどうにもならない。
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