帰還

5/10
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
チャチャッと洗い物を済ませた魔王が振り返り、精霊王と水色の髪の女性に向き直った。 「そなた達、いつまで立っておる。そこへ座るが良い」 とソファへと促した。 2人はまだ呆気に取られた表情をしていたが、とりあえずソファへ座った。 「…アルフレッド、君は何故、侍女の真似事をするのだ?君は魔王陛下だろ?」 そう精霊王は呟くと、水色の髪の女性はそれにつられるように、綾を睨みつけながら、発言をする。 「そうですわ!平民に料理や飲み物までお出しするなんて、貴方様がなさることではありません!」 それに対して、魔王は至って冷静に答えた。 「ここ(日本)は魔界でない。 我とて、ここでは平民と何ら変わらない。それに家事などはやれる者がやれば良い話。別に苦でもないしな」 「でも!」 「…それに元々1人で何でも出来ないと生きていけなかった。それが今、誰かのために役に立つなら、それで良い」
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!