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チャチャッと洗い物を済ませた魔王が振り返り、精霊王と水色の髪の女性に向き直った。
「そなた達、いつまで立っておる。そこへ座るが良い」
とソファへと促した。
2人はまだ呆気に取られた表情をしていたが、とりあえずソファへ座った。
「…アルフレッド、君は何故、侍女の真似事をするのだ?君は魔王陛下だろ?」
そう精霊王は呟くと、水色の髪の女性はそれにつられるように、綾を睨みつけながら、発言をする。
「そうですわ!平民に料理や飲み物までお出しするなんて、貴方様がなさることではありません!」
それに対して、魔王は至って冷静に答えた。
「ここは魔界でない。
我とて、ここでは平民と何ら変わらない。それに家事などはやれる者がやれば良い話。別に苦でもないしな」
「でも!」
「…それに元々1人で何でも出来ないと生きていけなかった。それが今、誰かのために役に立つなら、それで良い」
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