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講義が終わると、早足で学校を出た。
そして自転車で向かったのは最近始めた新しいバイト先の本屋である。
やりたいバイトがあるわけではなかったため、この髪色でも許してくれるという本屋とたまたま自宅付近で出会い、勤めることになったのだ。
採用が決まったことを咲久良に伝えると、嬉しそうに笑ってくれた。
そこで夜まで働いた後、一度自宅に戻った。咲久良の家に向かう前に洗濯物や家の片付け、そして課題を行うためだ。
咲久良の帰りは遅いため、それまでに課題を終え、夕ご飯を作る時間も考慮して家を出る。これが最近の凰花のルーティンとなっていた。
今夜は何を作ろうか。
そんなことを考える時間がとても有意義で、幸せだ。これまで媚を売られてきてばかりだった凰花が、まさか人のために尽くすようになるとは自分でも想像してなかったことだ。
だが、咲久良には全てをしてあげたい。衣食住全てを尽くしたいと思ってしまうほど大切に思っている。
課題・家事を全て終えると、時計は既に23時を回っていた。
凰花は明日必要な荷物をリュックに詰めると、家を出た。
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