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ワアアアアッ!!
「むっ?
何事だ?」
自軍の兵士から上がる喚声を聞いた曹休が兵に問いかけると、兵は答えた。
「曹休様!
漢軍の将文鴬がこちらに向かって突撃して参ります!
不意を突かれた事により、我が軍は混乱しております!」
「こちらからは司馬師、司馬昭の二人が、突撃を開始致しました!
どうやら我が軍の目が司馬懿に釘付けとなっていた隙を伺っていた様です!」
「チッ!
小癪な奴らよ、皆迎え撃て!
兵力はこちらの方が勝っているぞ!」
一斉に突撃を開始した漢軍に対し声を上げる曹休。
しかし不意を突かれた魏軍の態勢が直ぐに持ち直す訳も無く、魏軍は徐々に押され始めた。
そんな中自身の得物である槍を振るい、曹休に迫る将が一人。
誰あろう、先に魏の猛将王双を討ち取った文鴬である。
彼は立ち塞がる魏兵を物ともせず、その様はまるで無人の野を行くが如しであった。
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