ピンボケ写真の彼ら

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ピンボケ写真の彼ら

一年前に観た、とある“スポーツ”の試合。 「PTG」の略称で呼ばれるその“スポーツ”に魅了され、一種の憧れとなったそれをやりたいがために、内藤一輝(ないとういつき)は、「PTG」の部活があるという海東高校へ入学した。 PTGとは、police&thief game の略称であり、俗にいう「ドロケイ」または「ケイドロ」と呼ばれる遊びを、スポーツへと昇華した競技のことである。 6人編成によるチーム戦であり、制限時間は一時間、フィールドは街。 試合1ヶ月前に、各チームへ、ドロボウ(シーフ)役かケイサツ(ポリス)役かが発表され、同時にエリアマップ、ターゲット情報も伝えられる。 ゲーム開始、終了の合図は鐘の音。 基本動作は、パルクールであり、飛ぶ、走る、登る、バランスをとる、などの動きをスムーズに行って、最短で目的地まで到達する、フリーランニングのようなものだ。 ドロボウ側は、1人でもケイサツの陣地からターゲットを盗んで陣地まで戻ってこれたら勝ちであり、ケイサツ側は制限時間までターゲットを守りきれたら、または、ドロボウを全員捕まえられたら勝ちとなり、引き分けはない。
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