プロローグ

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ゴツゴツとした岩のように硬い皮膚に覆われた顔。 瞼は厚ぼったく腫れて、辛うじて隙間に黒目がのぞく。 唇も上下共にタラコのように分厚いが、それもまた岩のようにゴツゴツとして硬そうだ。 逆に鼻は凹凸をなくし、細長い穴だけが二つ開く。 それが奇巌病の特徴だ。 前触れもなく、その病はやってくる。 気持ちよく目覚めた朝、何気なく見た鏡に映っていた顔がいつものそれと異なり、化け物のようにゴツゴツした顔になっている。 奇巌病の罹患者は、いずれも思春期真っ只中の女子中高生ばかりだった。
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