奪われたカラダ

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****** 「おはようございます」 私はダイニングルームで朝食を食べる俊吾さんに挨拶をした。 「あぁ・・・おはよう」 彼は何食わぬ顔で、トーストを齧り、コーヒーを飲んでいた。 細身のスーツ姿の彼。 昨晩、脱ぐと凄いんだと思った。 「・・・」 私も椅子に腰を下ろし、サラダのプチトマトを頬張る。 「・・・ちゃんと眠れたか?」 「え、あ・・・はい」 「痛みはなかったのか?」 私は後ろに控える黒崎さんを意識してしまい、言葉を濁した。 「え、あ・・・いえ…別に・・・」 「後で、黒崎から薬を貰えっ」 「薬・・・?」 「鎮痛剤とビタミン剤です。杏南様」 「・・・分かりました」
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