奪われたカラダ

11/11
2339人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
やっぱり、素っ気ない俊吾さんの態度。 私にとっては大切な夜だったけど。 彼にとっては唯の子作りにしか過ぎないのか・・・ 私は嘆息した。 食事を終え、私は彼を見送る為にエントランスを向かう。 「杏南…来いっ」 「!?」 俊吾さんは私の腕を掴み、小部屋に入った。 「・・・何故?食事中に俺の顔を見て、溜息をついた?」 「えっ?あ・・・別に…意味などは・・・」 「・・・昨日の夜、強引に君の処女を奪った俺に対して、何か言いたいコトがあるんだろ?」 「それは・・・」 あのまま、一昨日のように自分だけイカされるのは嫌だった。 「言いたいコトは一つ・・・ 愛して欲しいです。 このまま・・・愛のない二人の間に赤ちゃんが生まれても…可哀想ですから・・・」 「・・・嘘でもいいから…君は俺に愛してると言わせたいんだな・・・」 「・・・」 「まぁ、君は俺の子を産む。 自分の血と肉を分けて、十月十日・・・君の胎内で産み育てる・・・考えておくよ」 「…ありがとう・・・」 彼の口から出た言葉に驚いた。 少しずつだけど、彼も変わり始めた証。 私も感謝の言葉で応えた。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!