戦国アルコールハラスメント

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戦国アルコールハラスメント

太閤豊臣秀吉亡き後の大坂城! 幼い豊臣秀頼の天下を狙い、 ずる賢い徳川家康が着実に権力を強める中、 秀吉の右腕石田三成は、 豊臣政権を守る為に七転八倒だ。 「まずい!太閤殿下の重臣達が、 次々と家康に寝返っているではないか!」 三成が焦っていると、 共に秀吉に忠誠を誓いつつ体育会系現場主義で、 文系デスクワーク派三成と折り合いが悪かった、 加藤清正が現れたではないか! 「三成!近頃家康がヤバイな! お前とは折り合いが悪かったが、 わしと共に酒を飲みながら、 豊臣を守る為の作戦会議をしようではないか」 「な!なにぃ!?」 三成は戦国武将には珍しく下戸であり、 酒席では毎回仕事残っていると断っていたので、 更に焦った! 「えーと!その…今宵も仕事が…」 「貴様はいつもそう言う! もう知らぬ!わしは家康殿と飲む!」 そう!三成は酒が嫌いで酒席に参加して、 宴会芸を無茶ぶりされるのも嫌いで毎回断るので、 他の武将達に嫌われ、 皆はいつも一緒に飲んでくれる家康に靡いているのだ! 上司の秀吉はいつも気遣ってくれる三成に感謝し、 自分が酒席を開いた時は、 敢えて三成を省いてあげる事で、 深い信頼関係を築いていたのだが、 同僚武将でそれを理解してくれるのは、 父昌幸譲りの賢さが有る真田幸村位であった… 「みんな酒!酒!酒! 何故そんな美味くもない物を飲まねばならぬ! 何故嫌いな酒席に参加して金を払わねばならぬ! むしろ金を貰っても行かぬわ!」 そんな訳で代わりに茶会には参加して 茶を廻し飲みするのだが、 ライ病で疎まれる大谷吉継の茶は、 誰も飲もうとしなかった… 「こやつも飲み物で皆に白眼視されるのか、 ならばゴクリ!」 「三成!それ我の膿が入ったのだぞ? 皆の様に避けて良いのに」 「酒に比べれば遥かに美味いぞ!」 三成と吉継は関ヶ原で敗れるも、 後の世にも二人の友情は語り継がれたとさ。
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