あとがき

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あとがき

「花時雨の挽歌」読了いただきまして、ありがとうございました。  さて、みなさんは書籍を読む際、「あとがき」や「解説」というのに目を通しますか?  私は読みません。作品の世界観を壊したくないので。  だから読まなくても構いません。読んだからといって、世界観が壊れることはあっても、物語の印象にプラスに成ることはないような気がします。  それを踏まえた上で読んでくださる方はよろしくお願いします。  さて、「花時雨の挽歌」は二年前から書き始め、昨年、ある文学賞に応募し、恥ずかしながら最終選考には残れなかった作品です。(応募時の題、ペンネームは変えてます。検索されるとハズいので。でも調べれば大体「あ、これか」とわかると思います笑)  その枚数規定により、締め切り前の一ヶ月で、100枚近く削ってしまったため、もしかしたら辻褄の合わないところもあったかもしれません。なんか直しすぎて、何が何やらわからなくなってしまったというのが、実のところです。未だに良くわからん。  私事ですが、2年前から昨年前半まで、プライベートで辛いことがありすぎて、小説に逃亡していました。  そして名のある文学賞で受賞すれば、その辛い現実で空いた穴を、埋め尽くしてなお溢れ出るくらいの高揚感を得られるはずでした。   これも恥ずかしい話ですが、今から○年前、大学生時代に応募した作品が、某ミステリ大賞で最終一歩手前までいきましてーーー。その作品と言うのが、4ヶ月で書き、しかも当時できた彼氏と欲に溺れ部屋に入り浸りすぎて、締切3日で百枚削るという凶行に出た作品であったのに、そんな中途半端な高評価を受けてしまったがため、「本気出せば、いつでも受賞できる」という阿呆な勘違いに繋がってしまったという背景がありました。   そんな下心満載で書いた作品でしたが、何せ、長編どころか、筆を握るのも○年ぶり。読書さえここ数年はジョジョくらいしか読んでいなかったので(文学ですらない。いや、名作ですけどね!!)初めは筆がのらなくて、大変でした。  ストーリーはおぼろげながら見えているのに、キャラクターが動き出さない、話し出さない。シーンごと、彼らのケツを蹴りながらなんとか動かす作業は、地獄のようでした。  でも、成瀬壱道という名前が決まった瞬間、不思議と彼が、勝手に話し、動き、物語をかき回し初めたのです。私は振り回される木下琴子の如く、ただそれを文章にしていくという不思議な感覚を味わいながら、夢中でパソコンの前に座っていたのでした。(それは当時付き合っていたパートナーがパソコンを捨てようとするほどでした笑)  この作品は、成瀬壱道が書いたと言っても過言でないほど、彼に助けてもらいました。  そしてそれは、次に書いたMFXにも通じる物があります。正直、成瀬も木下も出すつもりはなかったんですけど、刑事の名前を考えるのが面倒で使った瞬間、やはり物語が加速していき、図らずも脇役とは言えないほどの存在感を放ってしまいました。(それは主役の九石青年を喰らうほどでした笑)  今、執筆中で公募に挑戦するつもりの作品にも、懲りずに彼は登場するのですが、今回は本当に脇役にしたいと思っています。ミステリーを書く限り、高確率で刑事の存在は必要で、いちいち考えるのが面倒くさいので、これからも度々登場するような気がします笑。  奇跡が起こり、公募で受賞するときには、成瀬はおじいちゃんになってるかもしれませんね。あー笑えない。  話は脇に反れましたが、現実逃避の手段だったとは言え、花時雨の挽歌は、成瀬は、琴子は、咲楽は、鞠絵は、汐里は、 私の大事な子どもたちです。(小國と林は違います笑)  今後の人生、きっとずっと続けていくだろう執筆活動の中で、この最初の作品は、五年後、十年後、(いや、今見ても)、至らぬ所だらけで笑ってしまう時が来るでしょう。  でもきっと私のスタートを切った作品として、心の大事な場所に在り続ける作品だと思います。  この不完全な作品を、毎日見てくださった皆さん、ありがとうございました。  直しきれないほどの誤字脱字や、辻褄が合っていないところなどを、目を瞑ってくれてありがとうございました。  応募した作品は、一次を通過しても、二次まで進んでも、最終選考に残ったとしても、受賞しなければ日の目を見ない、ただの妄想を文章にしたデータでしかない。  でもエブリスタでは、それを世界に向けて発信できる。素晴らしいシステムですね。  これからも公募チャレンジと並行して(金が要るんですよ、私は!) エブリスタにも投稿していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。  最後になりましたが、私がこの作中で一番好きなキャラは。  咲楽でした。(成瀬じゃないんだ笑) 只今、23時です。 執筆当初にはなかった幸せと安楽があります。 幸せを抱きしめて。 おやすみなさい。
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