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書道教室から2日後、母は会社時代の先輩にLINEで相談を持ち掛けた。その先輩とはアメリカにいた時期も重なっており、家族ぐるみの交流があったそうだ。彼女の旦那さんが仕事柄海外に精通しているので、弁護士を紹介してもらおうという魂胆であった。
「こんにちは。
突然ですが、正一さんのお知り合いで、中国に強い国際弁護士の方、またはそっち方面お強い方いらっしゃったら、紹介してほしいのですが……。
恥ずかしい事で驚かせますが、北京ダックの店が愛人の店でもあり、マンションは、孝とチェンチェンの愛の巣だったのよ。
気持ち悪い2人の写真もたくさん出てきて、証拠隠滅する前に、急に死んでくれて、ほんとによかった。
位牌と写真はトイレの下に置いて、入るたびに唾吐きかけていたけど、それももったいなく思えてきて、今は冷静に最善の方法を取ることを考えることにしました。
悲しみ一転、怒り呆れ、この一年ドラマのような、ジェットコースターのような展開を客観的に楽しむ努力をします」
「そうだったの……。
それは腹は立つし、怒鳴りたいし、怒りをぶちまけたいけど。
本人がいないんじゃほんとにもう笑うしかないよね。
大変だったね。
そしてこれからも大変は続くけど、負けるな!!
中国の法律は全然わからないから、黙っていたら好きなように処理されちゃうからね。
でも単身赴任の海外駐在員、特にアジアに行ってる人はほとんどの人が現地妻がいるのが常識らしい。
うちの旦那がいつも言ってた。
マンションも誰の名義になってるのかが問題だね。
とにかく旦那が帰って来たら聞いてみるね。
中国の担当にはなった事ないから、直接は知らないかもしれないけど。
待っててね」
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