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【プロローグ】
花便りが一段と賑やかな季節…
──春。
「ハァ…、ハァッ、…ぃ、イリ、ここに手をついて?」
「ぅあ…ッ…ゃ、…らっ…て…ッ、…カネツユが…ッ、…みて、…る…ッ、」
「いいからつけ…ッ、」
「…へァッ、…ぁ、…ぁ"……ん…ゃぁあ…ッ」
「ハッ…ベロベロに酔っ払いやがってこのクソガキ…。俺以外の名前を…呼ぶんじゃねぇよ…ッ!」
「ぃ…ゃ…あぁあ"ッ!……ッ、…ぁ…、ぁ……」
春風に吹かれ身も心も生き生きとした気分になる今の季節は春、まさにたけなわ。
そこら中を舞う風も桜色に染まって見える心地のいい季節だ。
「お前は…ッ、誰に…!…気持ちよく…ッ、されてるの…ッ?」
「んぁあ…っ…、…玄…、げん…ら…ァア…ッ、…」
「俺以外を見るなって言ってるよね…ッ?」
「だ…、て…ッ、」
「お前を愛してるのは俺だ。…俺以上にお前を愛せるやつは居ねぇんだよ…ッ!」
「ぁああッ!きも…、ち、…きもちぃ…よぉ…ッ、」
柔らかな夜風と共に舞い込んでくる夜桜を嗜む人間の声をうっすらと遠くに聞きながら“おれ達”は…
「ハッ…、聞こえるか…キンタ…、」
「…ッ、」
「なァ…ッ!…聞こえたかよキンタッ!!」
「あぁ、…うるせぇくらいだ。」
「ヘッ…なら…いいや…ッ!」
「あ"っ♡…ぁぁあぁげん…っ♡……好き…ら…♡」
義兄弟となった恋人相手に今年度も“仲睦まじく”よろしくヤってる訳で。
新年度早々…何故こんな事になったかと言うと、
それは昨日の朝まで遡る事になる──。
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