二人目の同居人

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 住まいが整ったとし子の部屋。 それはもうたくさんの物であふれかえっていた。 クローゼットの中には服がぎっちり。棚にはバッグがずらり。 下駄箱に入りきらなかった靴は箱に入れられたままクローゼットの床に置き積み。 食器棚には同じようなカップやらコップ、ワイングラスが並べられ、料理が好きなのか鍋も数種類あり、驚いたのは調理用の家電がいろいろあること。何が何やらわからないけど、広めのキッチンの物置スペースは満員電車並みだ。 ・・まあ、俺の居場所であるロフトにはスペースがあるからいいけど・・ ロフトには本や雑誌を並べたりなぜかぬいぐるみを並べたり、真ん中に細長い座布団をどんと敷いてくつろぎの場に作り上げてくれたので、せっかくだからとし子のいない時は俺がありがたく使わせていただくことにした。  さっそくごろ寝をしていると、何やらいい匂いが立ち上ってきた。下をのぞくととし子が夕飯の支度をはじめていた。俺の好きな焼きそばの匂いだ。 匂いがしてからものの5分ほどで料理を仕上げテーブルに着いた。 ビールをグラスに注ぎ、一人宙に掲げてから喉を潤す。お決まりのうなり声をあげてから焼きそばをすすった。部屋に響くのはテレビの中の馬鹿笑いだけ。対照的にとし子は黙ってビールと焼きそばを交互に口にする。独り暮らしなんてみんなそんなもんだろうと自分の時の事を思い返してみるが、そこにいる人物が歳を重ねた人間だというだけで寂しさが増して見えるのは完全なる偏見だと素直に認めて、ごめんなさいととし子の背中に頭を下げた。
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