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「はるちゃん!!」
大きな声とともに講義がいつの間にか終わっていたことにハッとなり我に返る、声の主の方を見るなり隣へと座り顔をグイッと近付けられる
「どうしたの?今日ボーっとしてるっていうか、抜け殻みたいになってるけど……」
「……どう、したも……こうしたも」
首を傾げて聞いてくる友夏ちゃんの真っ直ぐな視線に、奴の顔を思い出してしまいため息をつく
『俺の……俺だけの涼太郎で居てくれる、なら』
恥ずかしいセリフと分かっていながらも、今はその羞恥心を押し殺して言葉にした
今まで好きな子は出来たことはあった。けれど付き合いたいという高望みはしたことなかった、そもそも付き合えれる自信もなかったからかもしれない
だからこそなのか……真剣に、男に、しかも幼い頃から一緒だった俺に「好き」と言ってくれた涼太郎に自分からいこうと思えたのは
『……それは、返事として受け取って──』
『あ、あのおちゃられけた俺が言ってるんだ!2度言わせるつもりか!!』
隠せれたつもりだった羞恥が段々と込み上げ、最終的には真っ赤になった顔を背ければ抱き寄せられた上に耳元で「言ってくれるなら、もう一度聞きたい」など抜かし大暴れした
「……つまり岡倉君と、お付き合い中になるってこと?」
全部をこと細かく話した訳じゃなかったが、流石はお腐れ仲間と言うべきかお察しの早さは異常である……まぁ俺だってもし男子からこんなん話されたら「むふふ!」とか思うもんな。話す側じゃなければ!!
「んふふ……いやぁやっぱりかぁ〜、でもって当然はるちゃんが受けでしょ!言わなくてもいいよ、わかってるから!」
「は、はは……」
初めての恋人に、初めての体験を……言葉にすれば甘い恋愛ドラマみたいなのにきっかけが俺のしょうもないオモチャで……って言うのがなければ人に話しても恥ずかしくねぇ話なのにな
だけど涼太郎とそうなったことに対して、関係性がちょっと変わっちゃったけど……多分……いや一生、俺は後悔はないと心から思える
「……あ、涼太郎だ」
他人から見れば、ただの仲のいい友達同士
「女の子に話しかけられてるよ、いいの?」
「まぁそれは前々からだし……それに」
周りに人が居んのにこっち気付いて、じっと見てくる視線に小さく手だけ振る
「今は、恋人だから……いいんだ」
秘密の俺だけの、ちょっとした優越感
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