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「 1つ積んでは父の為、 2つ積んでは母の為、 3つ積んでは故郷の兄弟の為 …… 」  東の空が藍色に沈んでゆく夕暮れに川原で石を積んではほろほろと転がる石を眺める。 「…… 後何度石を積めば私は死ねるのだろうか──── 。 」 そもそも賽の川原で石を積むのは親より先立った幼子。 死ねない私では幾ら積もうと無駄かと女は嗤う。
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