小田原攻め

1/1
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ

小田原攻め

ついに豊臣麻衣は、太政大臣にも任命された。 従一位・関白・太政大臣...。 従一位以外は、それぞれの役職の最高峰である。 そして麻衣は、家臣である石田絵梨花に、《従五位下(じゅごいげ)》の官位と、《治部少輔(じぶしょうゆう)》の令外官を与えた。 大谷沙友理には、《従五位下》の官位と、《形部少輔(ぎょうぶしょうゆう)》の令外官を与えた。 これにより、一部の女生徒達からは、役職などで呼ばれる事も増えて来た。 《石田治部(いしだじぶ)》や《大谷刑部(おおたにぎょうぶ)》などである。 ━━麻衣は、太政大臣よりは、《関白》の方で呼ばれる事が多い。 「初めまして。」 真田美彩は、頭を下げた。 「初めまして。」 と、本多健(ほんだ・たける)も頭を下げた。 徳川家臣、本多桃子の弟で、なかなかのイケメン。 美彩と同じ高校二年生である。 ━━ここは信濃地区小県のファミリーレストラン。 この日から、二人の交際が始まった。 麻衣からの提案で、交際する事になった二人ではあるが、お互いに一目惚れしたらしく、上手くいきそうな予感だ。 そして、真田と徳川に同盟関係が出来た。 ━━姉の真田純奈は、少し安心をした。 いくら大名になったとはいえ、規模は小さい。 徳川七瀬や北条飛鳥に攻め込まれたら、一溜りも無い...。 上杉史緒里は、妹の未央奈が上手くやってくれれば、問題ないだろう...。 「宜しくお願いします。」 といって、真田未央奈は頭を下げた。 ━━ここは、越後地区春日山女学院である。 「ようこそ、春日山女学院へ。」 と、直江かりんが出迎えてくれた。 「信濃地区上田女子高附属中学から来ました、真田未央奈です。」 と、未央奈は再び頭を下げた。 「春日山女学院二年生の直江かりんです。」 と、かりんが言った。 ━━しばらくすると、上杉史緒里もやって来た。 「春日山女学院二年生の上杉史緒里です。」 史緒里も挨拶をしてから、 「リラックスして過ごして下さいね。」 と言った。 「ありがとうございます。」 と、未央奈は言った。 「未央奈さんは、何か得意なものとかあるの?」 と、かりんが訊いた。 「はい、陸上部に所属していて、50m走なら六秒台で走れます。」 と、未央奈は答えた。 「早い!!」 横で聴いていた史緒里は驚いて、 「他には?」 と訊いた。 「あとは、《高速まばたき》です。」 と、未央奈は言った。 「高速...まばたき...?」 史緒里は首を傾げた。 「はい。」 と言って未央奈は二人に、高速でまばたきをして見せた。 「......。」 「......。」 リアクションに困る二人であった...。 そして、ついに北条飛鳥を攻める時が来た!! 麻衣は、石田絵梨花を総大将にして、武蔵地区の飛鳥の支配下にある学校を攻めさせた。 麻衣は、絵梨花に手柄を立てさせたかった。 絵梨花をサポートする形で、大谷沙友理、真田純奈、上杉史緒里、直江かりんも、絵梨花の軍に加えた。 中学生の未央奈も、一応、研究生という形で参加させた。 絵梨花達が相模に向かう前日、絵梨花、沙友理、純奈、史緒里、かりん、未央奈の六人で、《作戦会議》と題して食べ放題の焼肉屋に行ったのだが...。 絵梨花、沙友理、かりん、未央奈の四人が大食いキャラで、史緒里と純奈がドン引きするくらい食べたのだ。 ━━大食いキャラ同士、なにか通ずるモノがあったのか、この四人の結束は堅くなった...。 麻衣は絵梨花達の軍も含め、総勢二十一万人もの女子高生を動員して、北条を攻めた。 《難攻不落》と言われている、小田原女子高も、さすがに相手が悪い。 飛鳥も観念したが、神奈川県民としてのプライドが、討ち取られる事を恥だと思い自害した。 北条飛鳥、高校二年生。 誇り高き美少女の最期である...。 麻衣は、飛鳥を討ち取りたかった訳ではない。 協力して欲しかったのだ。 現に、九州攻めを行った際も、島津怜奈を討ち取ってはいない。 しかし飛鳥は、降伏も恥だと思った。 ━━きっと時代が時代なら、 《従うとは負ける事》 と言い聞かせて、夜の校舎を窓ガラス壊して回るぐらい、従う事を嫌っていた...。 そして麻衣は、天下を統一した...。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!