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「フフっ、お前が竜騎士か……なるほど、見かけはただの女のようだな」
ハーネスは常に余裕の微笑みを浮かべていた。
「わしは勘がいいんだ。ほんの小さな殺気でも見逃すことはない。残念だったな」
――ちくしょう……
ハーネスの笑みに私は下唇を噛む事しかできないでいた。
「すまなかった。お前を殺すつもりはなかったんだ」
ハーネスは余裕の微笑みから一転して真顔でミルルの頭を撫でていた。
ミルルは既に息絶えていた。
心臓を一突きにされ、真っ白なベッドのシーツは彼女の血で真っ赤に染まった。
「だが、お前も暗殺者の一員なら分かるだろ?殺される前に殺る。それが暗殺者として生きていく上で必要不可欠な条件…………だと!」
ハーネスはそう言うと、腰につけてたサーベルを抜き、再びミルルの心臓目掛けて突き刺した。
サーベルはベッド事貫き、ベッドの下からエッジスが出てきた。
「やはりお前か。エッジス」
エッジスは素早く立ち上がると、ナイフを取りだしかつての師匠に向けた。
「お久しぶりです。師匠」
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