もう一度、抱きしめて、キスをしたい。

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ばいばい、そう言ったとき、彼女の瞳が揺れたのがわかった。 でも彼女は強いから、泣かない。背を向けるおれを追ってもこない。 彼女に背を向け歩きだしたおれは、追ってくればいいのに、そんなことを思っていた。 もしも、彼女がおれの背中に飛び込んでくれば、おれはそれを受け止めるのに。そんなこと絶対にないとわかっていた。 自分から別れを告げたけれど、なんて情けないのだろう。 足を進めるおれは、どこまでも情けなかった。
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