エンドロール

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エンドロール

END 君がいない人生なんて、もうすでにエンドロールが流れている。 脚本家やスタッフの名前がずらりと並べ立てられて、スクリーンの上部に収納されていく。 物語はここで終わり。 カップの1/3も残してしまった甘ったるいキャラメルポップコーンと冷めた紅茶を片手ずつに持って観客気分で映画館を後にしたかった。 「エンドロールって最後まで観る派?」 耳の奥、脳の片隅で覚えてる彼女が柔らかな口調でそう言った。 「最後まで観るよ」 「じゃあ私と同じだね!」 そのやり取りを思い出して再び席に戻った。 上部に収納されていく多くの名前を見つめながら、そこに見知った名前をいくつも見つける。 無くしたばかりではないんだ。 失うものばかりじゃなかった。 彼女とじゃなきゃ出会えなかった人達もいた。 エンドロールは最後の最後まで観なきゃ、何が隠されているかわかんないよ。 そう言った彼女の微笑みが頭をよぎって僕は席を立った。 今度はこれをプロローグにするために。
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