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そうするとハルさんが心配して、何もしなくていいって言われちゃうんだけど……
なんてことをうとうとしながら考えていると、少しずつ意識が浮上してくる。
もう少しこのままで、待って。
まどろみの時間が終わってしまうことが少しだけ寂しくて。
もう少しこのままハルさんの隣でふわふわしていたいって思うのに、甘いハルさんの声を思い出しているうちについつい目が覚めてしまった。
ぱちりと瞬きをすると、いつの間にか引き寄せられたハルさんの腕の中にいるみたいだと気がついた。
見上げるとハルさんの口元が近くに見える。
手をついていたのはハルさんの胸で、いつ鍛えてるんだろうって不思議なくらい、逞しい胸板にドキドキしてしまう。
こんなところ、触ってしまっていた自分に気がついてハラハラしてしまう。
――お休みだって言ってたし。もっとゆっくり眠って欲しいな……
でも、起きたときには美味しいご飯を用意しておいて、すぐに出せるようにしたい。
それが今私にできることで、一番大事なこと!!
と思い至ってからは、一気に意識が覚醒して体を勢いで起こしそうになった。けれど、寸でのところで留める。
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