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ハルさんが起きちゃうといけない。
そっと。そーっと、そろそろと布団からでなくちゃ。
そう決意し直して、そっとハルさんの腕から出ようとしたそのとき。ついに気がついてしまった。
まさかの、ショーツとキャミソールだけしか身につけていない自分に。
「ひゃ……っ」
こ、こ、こんな姿で私……っ!!
パニックになって頭までズボッと布団を被って隠れた。
その行動が特に意味をなすはずはないけれど、そんなことにまで思考が至るはずもない。
どうしよう、なんて姿で。
そう思うのと同時に、私はここからどうして脱出すれば? という新たな課題に気がついて目が回りそうになる。
服は、ベッドの下?
考えながらも恥ずかしくて、ドキドキしながらベッドの端の方へ移動して、手だけを布団からごそごそと伸ばして指先がフローリングを撫でたそのとき――
「こーら。誰だ、脱走しようとしてるのは」
「は、ハルさん……っ」
伸ばした腕を捕まれたと同時に、くるんと体勢を入れ替えられて、私の上にハルさんがいた。
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