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プロローグ
井上隆也 27歳
突然だが俺は死んだ。
三連休の初日、俺は大学時代の友人たちに会うためいつもの居酒屋へ向かう。
卒業後、地元に帰ったやつもいれば俺のようにここに残ったやつもいる。みんな忙しい毎日を送っているが、大型連休などのまとまった休みがあれば大学時代にみんなでよく行った居酒屋に集まることになっている。
「おー、久しぶり。俺で最後?」
「久しぶり。まだ中野来てねーよ。アイツいっつも遅刻してくんじゃん。」
「相変わらずだなー、アイツも。」
「どうせまだ来ねーだろうから先始めようぜ。」
誰かが言い出し、みんな賛成する。そして飲み物と適当におつまみを頼む。
「じゃー乾杯すっか!」
「何に?」
「俺らの友情とか?(笑)」
「まぁいいや乾杯!!」
そう言って飲み会がスタートする。近況報告、仕事の愚痴、彼女のいるやつはノロケや悩みを言いながら楽しい時間を過ごす。しばらくして中野も合流し、飲み会が終わったのは午前2時だった。
「じゃーなー、また今度の連休に集まろうぜ。」
「てゆーか井上たまには幹事やれよ。」
「へいへい。わかったよ。」
そう言ってこの日は解散。次会うのは年末だろうか。今度は自分が幹事をやろう。どうせ場所はこの居酒屋なんだし。
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