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どうして酒が絡んだ宴会はこうも面倒臭いのか。
アイリスの対処はクラリスさんとスィさんに任せておけば…… 安心できないな。 一線を越えて全裸で走り出すとか、そんな珍事は名誉の為に良くない。
一方でドクロの相手をしているベルファンさんは…… 大分フラフラになっている。 それなのに乳鉢に何でもかんでも放り込んでは粉末にしていた。
「いっその事、酒精を粉末に出来たら良いのにねぇ…… はっ! 僕は天才的な事を思い付いてしまったよ!」
「何なり?」
「ドクロ君は粉末状の物なら味が解るんだよね!? つまり、飲んだり食べたりした事とと同じだよね!?」
「いかにもなり」
「ならば、ドクロ君が酒で酔うという感覚を味わう為に、酒精を粉末にしてしまえば良いと思うんだ!」
「よく解らないなり。 それよりも他の粉を味わわせるなり」
「ベルファンさん、酒精は液体ですよ…… 粉末にするって概念自体が間違ってません……?」
「ちっちっ。 これがハーディスなら新たな知見とか言い出して、酒精の粉末化を始めると思うんだ! ところで、エリオット君は薬学に明るいのかい!?」
「ぼ、僕はその辺、落第点で…… アイリスの方がよっぽど腕は良いですよ」
「じゃぁアイリスちゃんにお願いしよう! アイリスちゃーん! 僕からお願いがあるんだけど--」
ガン!
女性三人の傍に近付こうとして、ベルファンさんは顔面に空瓶を投げ付けられていた。
投げた張本人は-- アイリス。
「エーゲルデスト様のスケベ! 今、私を襲おうとしてた!」
「と、とんでもない誤解だよ! 僕は薬学の腕を振るって貰おうとしただけで--」
「気を付けろアイリス、マスターは胸が控え目な女が好みなのだ」
「そうよアイリス、近寄ったら汚染されるわ」
「ひぃ!」
アイリスが酔っぱらってるからって、なんて適当な事を……!
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