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ヒールズリンチ事件の真相/その18
南部
「南部、よかったじゃねーか。遣いだってよ」
「砂さん、安心するのは早いって。連中のこれからの仕事はあのテーブルの下にある道具を使う。血を見るって…!」
小声で話しかけてきた砂垣さんは、オレの答えた意味がすぐわかったようだ
今度は斜め後ろの積田に小声で聞いてる
「積田、じゃあ…、その届け物ってのは…」
「あの二人の指か腕か…。まあ、そんなとこでしょうよ」
積田はオレと同じくすべてを見通したようだ
「そして届け先は星流会ですよ」
オレたち二人は交互に”説明”した
当然小声で…
...
今一単純な砂垣さんは息を飲んで、じっとテーブルの下に目をやっている
もうすぐアレは真っ赤に染まる…
みんながそんなイメージを浮かべてるだろう
もう、覚悟を決めるしかない…
...
「でも、他の二人は無視ってのは…」
ここでは高本が小声で積田に尋ねた
「フン…、おおかた、あの人達に仕込まれてたんだろう。アンタんとこ、結束してるんじゃなかったのかよ?ユルいな、そっちは」
「こんなトコで嫌み言うなよ!」
「…」
積田と高本は、これ以上言い合いをできる状況ではないと理解してるようだった
「おい、そろそろ仕事の準備できたようだぞ。勘弁してくれって…。本気かよ、あの人達…」
砂垣さんは完全ビビってる
オレだって、ほんまもんのやくざの仕事なんぞナマで見たくねーって
...
「はは…、君たち、どうやら呑み込めたようだな。よし、必要なことだけ付け加えよう。星流会には二人で行ってもらう。君たちグルーうの両サイドから代表を1人ずつ出して、仲良くブツを届ける。その際、オレの書状を添えるから、遣いの者は絶対に手出しはされない。さて、それでは君たちには代表者選挙をしてもらうが、もうひとつ決めてもらうことがある。この2匹のうち、どっちの小指をちょん切るか、それをな。時間は5分だ。さあ、かかれ」
なんてこった…
ヤツら、オレ達ガキを手のひらに乗せ、楽しんでるようだ
だが、嫌とは言えないって
この状況では…
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