ノロイ派の私

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ノロイ派の私

公園の入り口に着くと、一度だけ振り返り、そのまま袖をめくって自分の腕時計を見た。 「麻里子さんって歩くの、ノロい派ですか?」 なんだノロい派って。じゃあアンタは早い派か? こいつ、本当に彼女いるのか。歩幅を女性に合わせられないなんて。 それとも、美人でも寛容でもない私には、合わせる価値もないのか。 腹の奥が熱くなってくる。 てかなんで付いてくるの前提なんだ。ここで回れ右して帰ってもいいのに。 精一杯の悪態をつく。 「早いよ、バカ」 帰らない私が一番バカだー!
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