プロローグ

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プロローグ

時折、身体が感じる熱。 その瞬間……彼からの視線に(さら)されている。 すべてを暴かれるような、底なしの沼に落ちてしまいそうな……。 目の前の彼は、涼しい顔で私を(むさぼ)り尽くしていく。 「んっ……っあ……」 唇から小さく声が漏れ、大きく節ばった手に愛される。 優しく、激しく、甘く。 彼の唇や舌が、愛したらないと渇望(かつぼう)している。 「もっと……」 (かす)れた甘いささやきに(うなが)されて、彼の(たかぶ)りを受け入れた。 毎夜のごとく繰り返され、もう、彼なしではいられない程。身も心も、支配されてしまう。 ふたりの激しく交わりの水音と、声が響く。脳内をも支配し、求め合う。 ーー彼に……たい……ーー 心の奥底に巣食う、欲に、彼は見逃すはずはなかった。
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