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真面目で堅物…??
柚葉も仕事に慣れ、仕事の楽しさがようやく分かってきた今日この頃である。
少しづつ余裕が出てきて、会社内のことも分かるようになり、社内の人や、上司とも仲良くなり、仕事もスムーズに回り始めていた。
須藤には、『考えて欲しい』と言われたけれど、なかなか、その返事は出来ないでいた。
嫌いではない。
むしろ、とても好ましく思っているけれど、それをどう上手く伝えたらいいのか分からないのだ。
──難しいです…。
侑也との外出の帰り道、自分の隣に座っている柚葉が、車窓から外を見ながら、ぼうっとしているのを見て、侑也が声をかける。
「ゆーずはちゃん、どうしたの?何か悩み事?俺で良ければ相談にのるけど。」
柚葉がじいっと侑也を見る。
黒曜石のような瞳だ。
えーっと、そんな真っ直ぐな瞳で見られると、困ると言うかドキドキすると言うか、超絶可愛いと言うか…。
「いえ。これはプライベートなことなので。…というか、すみません!常務にご心配かけるなんて。」
「いや、俺はその辺は、あまり気にしないから全然いいよ。むしろ、一応は歳上なんで、それなりに経験もあるから、頼りにしてくれたら嬉しい。」
「でも…」
あまりにも、柚葉は躊躇っている。
「んー、俺としては、柚葉ちゃんがそんな顔をしていることの方が心配。プライベートを俺に明かしたくないなら仕方ないけど、俺はそんなシーンでも柚葉ちゃんの力になりたいよ。」
そこまで言い切って、侑也はにっこり笑う。
よし!決まった!
これは大きくポイントアップとみた。
柚葉は少し迷って、ためらいがちに口にする。
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