竜ときと

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 竜はきらめきの中で生きていた。  十四歳の和也は、赤色の半透明などの、様々な色のきらめいた物を、これまでに沢山見た。その形は多様で、自らの言葉で言い表そうとすると、とても長くなるだろうと、和也は思った。  それは半透明だけではなくて、透明さの無い物もあった。それらはそこら中の宙にあったり地面だったりした。それらがきらめいて、和也は竜と生きてきた。 「グリエネード。行こう! ともしびを燃やすんだ!」  そう和也がグリエネードに叫ぶと、グリエネードは吼えた。その目はかがやきに満ちていた。その目を見ると、和也は僕と同じでわくわくしているのだと、思いを同じにした。  グリエネードが大きな翼をはばたかせ始めた。何度も吼えて、その振動が和也の全身を震わせて、和也はグリエネードに乗った。  グリエネードは青空へ飛び立つ。ほかの竜やきらめいた物体が様々あり、それらを見ながら、グリエネードと和也が目指すのは赤き天の清流だった。  視界のやや下のほうに竜が見えた。大きく翼を広げて、直進しながら体を回転させ始めた。翼の回転する様が、ちょうど、上空から見たときの風車のようだ。風車を実際に見たことは無いが、それを教えてくれたのは緑色の竜のニードで、
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