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甘怠さの残る私の身体を、隆二さんは満足そうに抱きしめた。
指だけで私を弄んだ隆二さんだけど、ずっと背中に当たっていた膨らみが気になっていた。
彼の肩にもたれて呼吸を整えながら、今度は私が腕を伸ばす。
ラフな格好をした彼の下半身は、その張り詰めた塊をそのまま反映させて膨らんでいた。ぎゅっと掴めば硬さも太さも増して、今にも弾けそう。
『……隆二…さん…これ……どうするの…』
「…どうしてくれる?」
耳の奥に濡れた彼の声が届く。
『どうって…』
無理だよ。出来るわけない。ダメなのに、彼は性懲りもなくスカートの中にまた手を突っ込んで、ショーツに指を引っ掛けた。脱がす気だ。
『だ、だめっ』
焦って脚を閉じると、隆二さんは”してやったり”というように口元に笑みをたたえ、手を引き抜いた。
「……嘘だよ。今はしない」
『…後で?』
「…もちろん。存分に」
私はため息をついたけれど、その顔は夜を期待して緩んでいたに違いない。
もたれたまま彼を見上げると、獲物を捕らえたみたいな顔で微笑みながら私の髪を撫でてくれた。
「…声…我慢できたな。エライ、エライ」
くすくす笑って、私の頬に唇を寄せて可愛がってくれる。
『気がつかれたらどうするつもりだったの?ドアだって少し開いてるのに…』
リビングへと続く扉は閉まっているから問題ないって言うけれど、その扉を開けてこっちまであの二人が来てしまったら?
見られてしまったらって思うと気が気じゃなかったというか…。
「…スリルあったろ?」
『……ばか…』
そんなのいらないって隆二さんの耳元で言いながら、何となく泳がせた視線。
彼の肩越しに見えた部屋のドア。5センチくらい開いていたその隙間で、何かが動いた。
私は、反射的に身体を隆二さんの影に隠した。洋服は着たままだから、素肌を他の誰かに晒した心配はない。だけど、私は確かに隆二さんの腕の中で乱れた。
見られた。直感でそう思った。
隙間から覗いていた何か。あれは、人だった。
本当はシャワーを浴びたかったけれど、着替えるだけにして隆二さんと一緒にリビングに戻った。
先程よりも豪華に彩られた卓上。
shinさんとreiさんに変わった様子は見られない。
……人じゃなかった?あの影は私の見間違い?
首を捻り、一度目を閉じる。まぶたに鮮明に映る映像が、やっぱり”人”だと言っていた。
……どっち?二人のうち、どちらかがあの場所で、隠れるように私たちを見ていたはず…。
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