答え合わせ

3/36
2707人が本棚に入れています
本棚に追加
/638ページ
「何が?」 「私を…サッカー部のマネージャーに引き込んでくれたこと」 私が言うと俊太は意外そうに目を見開いた。 「あの時……俊太が無理矢理誘ってくれなかったら、こんな感動も味わえなかったし…今までみたいにいろんなこと諦めてた。あの時は俊太の強引さに腹も立ったけど、今はお礼を言いたい気分」 俊太に顔を向けると自然に笑みが溢れた。 「…強引て…俺は本当はお前をマネージャーなんかにしたくなかったんだよ……」 「…嘘? なんで?」 驚いて思わず声が高くなった。 「…どういうこと? あの時、私たちの関係だってマネージャーになったら交換条件で守ってくれるって言ってたし、俊太は望んでたじゃない?」 「それは、お前だったら絶対に“やらない”って言うってわかってたし……」 「え? えっと…何? どういう……。あの時…俊太は先輩や同じ一年生に期待されてて……切羽詰まってたじゃない…。私がマネージャーにならなかったら困るから私を引き入れたんでしょ?」 「そうじゃねえよ」 「そう…じゃない?」 俊太は先ほどから私を困惑させることしか言わない。
/638ページ

最初のコメントを投稿しよう!