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「何が?」
「私を…サッカー部のマネージャーに引き込んでくれたこと」
私が言うと俊太は意外そうに目を見開いた。
「あの時……俊太が無理矢理誘ってくれなかったら、こんな感動も味わえなかったし…今までみたいにいろんなこと諦めてた。あの時は俊太の強引さに腹も立ったけど、今はお礼を言いたい気分」
俊太に顔を向けると自然に笑みが溢れた。
「…強引て…俺は本当はお前をマネージャーなんかにしたくなかったんだよ……」
「…嘘? なんで?」
驚いて思わず声が高くなった。
「…どういうこと? あの時、私たちの関係だってマネージャーになったら交換条件で守ってくれるって言ってたし、俊太は望んでたじゃない?」
「それは、お前だったら絶対に“やらない”って言うってわかってたし……」
「え? えっと…何? どういう……。あの時…俊太は先輩や同じ一年生に期待されてて……切羽詰まってたじゃない…。私がマネージャーにならなかったら困るから私を引き入れたんでしょ?」
「そうじゃねえよ」
「そう…じゃない?」
俊太は先ほどから私を困惑させることしか言わない。
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