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プロローグ
どうして、
こんな事になったんだろう。
どうして私が。
4月25日
突然の人事異動。しかも紙面だけで。まさかの感染病棟へ。そうCOVID-19に感染した患者がいる病棟に。
私、大丈夫かなぁ。循環器病棟長の佐藤さんも「防護してたら大丈夫、大丈夫。」と軽く言うのだけど。とても心配。
別の病院に勤める彼、福山君は「大丈夫なん。断れへんの。」と無責任にいい放つ。あんたも看護師ならわかるでしょってものよ。業務命令でもあるし、使命感や責任感もあるから、、、でもやっぱり心配。
4月30日
勤務終わりに感染認定看護師の松田さんから防護服の着用方法や感染病棟の出入りなど説明を受けた。
テレビでは凄い防護してたけど基本はサージカルマスクだけで大丈夫と言われた。いやいや恐いやん。
N95マスクは?え?足りないから救急とPCRの検体とるときだけって?えーとガウンは、これも足りないから雨合羽。既に医療崩壊じゃないの。
一人ECMO回ってるからガウンはそこを担当した人が優先に着るって。
ニトリルグローブはまだあるから二重出来るけどプラスチックグローブを活用してと。
フェイスガードも残り少ないって。えーどうなってんのって思った。
ディスポーザー術衣もあと1ヶ月でなくなるかもって。大丈夫?うちの病院。
でもどこも一緒みたい。福山君とこの病院も10床だけCOVID-19患者が受け入れできるけど普通の白衣にカッパ着てクリアファイルのフェイスガードにタオル帽子を使い捨てにしてるらしいと言っていた。
因みに福山君は外科病棟なんだけど。
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