第6話

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春斗は僕がアキちゃんのことをずっと好きなの知ってるもんな……。 何で断ったんだって聞いてくるよな……。 今日聞かれなくても、いずれ聞かれるだろう。そう思うと憂鬱だった。 傷口に塩を塗られたくない。 自分だって本当は秋斗の告白を受け入れたかったのだ。 「しかし……手を繋いで寝るくらいで眠れるとはな」 「良かった。いい方法があったね」 「そう、だな」 宗佑が今までに見たことの無いほど穏やかな顔をしている。 お父さんてこんな顔もするんだなと、洸太は驚いた。 「お前は………優しいんだな」 「何?いきなり……どうしたの?」 「いや……。俺のことなんて憎んで当然だし、実際俺は父親のことも姉のことも憎んでるし恨んでるからな」 嫌いだったよ。 お父さんのことも、お父さんにされる行為も。 ずっと大嫌いだった。 「お父さんが…変わろうってしてくれてて嬉しいよ」 「変わりたい……お前に好かれるように…」 ぽつりと呟いた言葉は本心なのだろう。 宗佑は変わりたいと思い、努力もしている。 昔受けた性暴力のせいで歪んだ自身の価値観を、必死に修正しようともがいているのだ。 嫌いだったのに…。 今はそれほどお父さんのことが嫌じゃない。 もっとちゃんと話して、分かり合えたら……普通の親子みたいになれるんじゃないだろうか。
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