醜行

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 「広いね...それに、すごく気持ちいい」  あの情事の汚れを落とすためにホテルに戻ると、香月と2人大浴場へと向かった。 体を清め、露天風呂に行けばそこは予想していたものよりも広く、豪勢な作りだった。  時間も時間だったせいか、人気は少なく、ポツリポツリといる人たちは皆、学校の生徒ではなく旅行に来ていた別の客だった。そのこともあり、少しは気は休まる。  すぐ隣で湯につかる香月は話をする気もないのか、そっぽを向いて外を眺めていた。  そして愛都は疲労した体を休めるために、特に香月に話しかけることもなく、肩まで湯につからせて目を閉じた。  ——  ————  ——————  「 おい 」  「...ん?何、香月君」  どれほどそうしていただろうか。  香月の声で瞼を上げた時、そこにはもう、愛都と香月の2人しかいなかった。  「誰もいないね。...そろそろ俺たちも上がろうか」  ゆっくりと湯船から立ち上がれば、熱くほてった体に心地よい風があたり、その心地よさに目を細める。  しかし香月は立ち上がってから動こうとはせず、何かを考えている様子だった。  「香月君、あがらないの?」  顔を覗き込むようにして、そう問うとバチリと目が合い、そして香月はニヒルに笑んだ。  「なぁ、俺の舐めろよ」  「...っ、え?い、今?...それは無理、だよ」  「早くしろ」  「ぁう...っ、わかったって」  唐突に強いられる行為。しかし湯で火照ったそこを掴まれ、愛都は体を震わせるとしゃがみ込み香月の性器を手で掴んだ。  「ん...んぐっ、ぅ...ふっ、」  僅かに勃ちあがっているものの皮を下にずり下げ、赤い、先端を舐めるとそれをふん切りに愛都は一気に奥まで性器を咥えこむ。 そうしてやれば、香月はピクリとそれを震わせ、膨張させた。    ぴちゃ、ちゅく...じゅっ、と卑猥な水音は止まることなく愛都の口元から響いていく。  「ぅむっ...ん、ん゛ん...はっ、う゛っん゛ん゛っ...ぐっ、」  このままさっさとイかせて終わらせてしまおう。そう思っていたのだが、唐突に両手で頭を押さえつけられ、そのまま香月は腰を動かし、愛都の口腔を犯してきた。  「...はっ、噛むなよ、」  咥えきれなかった部分も、その律動によって無理矢理口の中に押し込まれ、咥えさせられる。  喉奥を犯される苦しさに愛都は呻き、生理的な涙を目に浮かべるが、香月はそんなことお構いなしにむちゃくちゃに腰を振って快感に顔を歪めていた。  ― この発情野郎が...っ、  熱く固い棒が舌を押しこめ、上顎を何度も何度も先走りを零しながら擦りあげる。  「...ぅっ、」  そしてさらに動きが激しくなったかと思えば、香月はピタリと動きを止めて愛都の口内にそれを埋めたまま欲を吐きだした。 先程ヤったばかりだというのに吐きだされた精子の量は多く、口いっぱいにそれは広がる。  ズルリ、と口内から抜けた拍子に少量のそれが口の端から流れ落ちた。  上を向けば、熱に浮かされた瞳と目が合う。  ― ごくり。  愛都は生理的嫌悪を押しこめ、口内の青臭いものを飲み込むと、それを示すように舌を出して口内を見せた。  そうして媚びるような目をして笑んでやった。  「え、な、何」  急に香月は愛都の腕を掴むと引っ張り上げ、湯の端にある岩の上に腰を掛けさせてきた。    まさかここで本番までやろうというのか。  いくらなんでも、ここではリスクが高すぎる、と香月の行動を止めようとした。———だが、その時香月は予想外の行動をしてきた。  「こ、香月...くん、?」  「大人しくしてろ」  何と香月は愛都の下半身に顔を埋め、萎えたそれを口に含んできた。  陰茎を上下に扱かれ、亀頭を念入りに舐められる。その行為に堪えられるはずもなく、愛都の性器は徐々に熱をもち、勃ちあがってきた。  「...ぅ、あっ...イキ、そ...」  そして完全に勃ちあがった時、姿を現した先端の鈴口を舌で強く抉られ、先走りを吸われる。  ついに我慢ができなくなった愛都は香月の口から自分のものを離そうと頭に手を添える。そのまま力を加えるが香月はその力に抗い、激しく手で陰茎の裏筋を擦りあげさらに刺激してきた。  「あっ、や...こう、づきく...っ、ぁ、ん゛んっ、」  「...んっ、」  ビクつく肢体。麻痺をしたかのように下半身から力が抜け、愛都は肩を上下させて呼吸した。  ― 香月の口内でイってしまった、  荒い息遣いの中、香月のことを見下ろす。すると香月は愛都を見上げ...  ― ゴクリ...  口に出された愛都の精子を飲み下した。喉仏が動く様子を目の当たりにした愛都は、思わず目を見開く。  「あ...飲ん、で...んっ、ふ...ぁ、んん...っ、」  そして香月は立ち上がり、そのまま愛都の唇を貪り始める。口腔を犯してくるその舌は当然のことながら苦く、それが自分のものだと意識した途端、愛都の中で吐き気が生まれ嘔吐きそうになった。  だがそこでそうしてしまえば今日のことが台無しになってしまうとわかっていたため、自身を叱咤して堪える。  歯列をなぞられ舌を吸われる。流し込まれる唾液は咽頭を通って体の中へと侵入していく。  気持ち良い。だが気持ち悪い。  2つの感情が混ざり合い、眉をひそめた。しかし、  「香月君...」  唇が離れた瞬間、愛都は頬を上気させたまま微笑み、香月の瞳を見つめた。  「...また明日も可愛がってやるよ」  そうすれば香月は満足したように口角を上げ、愛都の頬にキスをすると湯を上がる。  すると、愛都が出てくるのを待っているのか、その状態のまま立ち止まってこちらを見てきた。  「俺は、ちょっと疲れたからもう少ししてからあがるよ。」  愛都のその言葉をきいた香月は愛都のことを鼻で笑い、そして露天風呂を出て中に入っていった。
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