14*それぞれの想い

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ーーーーーーーーーーーーーーー 俺は要領良く生きてきたつもりだけど、自分の気持ちを誰かに話したり、悩みを打ち明けたりすることは苦手だった。 いつも聞き役。 それがクールに見られるのかも知れないけど、自分をさらけ出して、ちっぽけな人間だと思われるのが怖いだけなのかも知れない。 でも、それではいけないと、カラオケの日の相沢とのやり取りでそう思った。 だからまず、俺を信頼してくれている友達ときちんと向き合うべきだと思った。 「俊介、俺さ、好きな人がいるんだ」 「お前がなんか変だったのは、それが原因か」 俊介は、やっと話す気になったか・・とでも言いたげな表情で俺を見た。 「まぁ、そんなところ」 「付き合ってんの?」 「まだ…よくわからないんだ」 俺の突然の告白にもらかかわらず、俊介はいつも通り、聞いてるのか聞いてないのかわからないような、なんでもない話を聞くような、そんな態度だ。 でも、俊介はちゃんと聞いてるし、いつも周りを気にかけている。 過剰に親身な態度を取らないところ、でも時には的確なアドバイスをくれる、そんなところが俊介のいいところだ。 だからこそ信頼できる。 なんで俺は、もっと早く相談しなかったんだろう。
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