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またこいつとバスに乗ってしまった、と満員のバスの中、柚月は思っていた。
そして、藤田も乗ってこない。
いやいや、今日こそ、一緒にバスを降りよう、と柚月は覚悟を決めた。
「じゃ、失礼しますー」
と言って、まず、ひなとが先に降りる。
さりげなく、柚月もそれに続いた。
が、
「檜村部長、おはようございます」
と右横から声が聞こえてきた。
足を止めると、人事の隣の総務の部長、棟居が笑顔でやってくるところだった。
そういえば、健康のために歩いてきているとか言ってたな、と思いながら、
「おはようございます」
と挨拶を返す。
柚月が続いて降りたとは知らないまま、ひなとは行ってしまった。
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