プロローグ

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プロローグ

ここはとある時代の日本。 大多数の日本人に紛れ、特殊な力を持つ人間が存在する世界。 1つは、「符術者」 文字を記載した紙「符」を操り、水や炎といった、いわゆる「魔法」を扱える人間。 もう1つは、「特殊能力者」 符術を使わずに「魔法」を扱う符術者よりも希少な人間。 彼らはそれぞれ強い力を持つが故に、遥か古より政府が管理組織を作り、一般人と棲み分けることで国の安定を図ってきた。 我々のような特殊な力は歴史の影に生きる存在。 互いに監視し管理することで、この国の、世界の未来へつながることを心に刻み業務に励むこと――――――――― 入局時の訓辞をふと思い出しながら、私は晴れた空を見上げて深く呼吸をした。 朝の冷たい空気を肺いっぱいに取り込んで、私は住み慣れた寮を出る。 特殊治安局 支援一課 7係 私―――吉川 菜子は勤務6年目のスタートを迎えた。
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