461人が本棚に入れています
本棚に追加
/349ページ
それだけは全力で頑張ったよ…
たがら教養はいつもAだった。
でも適正がどうしてもCで…
あたしだって、落ちたくて落ちたわけじゃない!
だけど口答えしたって、頑固なお父さんには通じない。
説教が倍になって返ってくるだけ。
仮に論破出来たり反抗しようもんなら、ショックで寝込んでしまうからどうしようもない。
「ははっ、そうだね。
ちゃんとお姉ちゃんらしく頑張んなきゃね」
だからあたしはいつも、笑って誤魔化す。
だって実際、あたしには何もないから…
妹と比べて、人と比べて、誇れるものなんて何もない。
だから、何言われてもしょうがないんだ。
破天荒に生きてやるなんて宣言したって、結局口だけ。
珠和みたいに優秀じゃなくても。
あたしはあたしの新境地を切り開いて、偉業を成し遂げようって。
そう思っても、どうすればいいのかわかんなくて…
結局何も出来ない、変われない。
そうして…
陰ながら落ち込んだ日々を過ごしてた、ある日。
『あのさ、ちょっと相談があるんだけど…
近いうち2人で会えない?』
長電話に気をつけて早々に切ろうとした矢先、風人くんにそう訊かれる。
「全然いいよっ?」と返事して。
何かあったのかと心配しながら、その日を迎えると。
最初のコメントを投稿しよう!