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「実はさ。
めちゃくちゃ大事な友達が、最近元気なくてさ…
どしたらいいと思う?」
「んん…
まずは、何があったのか聞いてみたら?」
「俺に教えてくれるかな?」
「んん〜。
大事に思ってる事とか、すごく心配してる事とか伝えれば、教えてくれるんじゃないかなっ」
「そっか。
じゃあ聞いてみるっ。
月奈ちゃん最近元気ないけど、俺マジで心配だから、何があったか教えてくんない?」
「えっ…」
え、今のあたしの話!?
ていうか、めちゃくちゃ大事な友達って…
しかも、気付いて心配してくれてたなんて…
ぐわりと、嬉しくて泣きそうになる。
「…ズルいよ、誘導尋問じゃん」
「ごめんごめんっ」
「けど、ありがとう…」
「…ん。
じゃあほらっ、俺がどーんと受け止めるから、ぜーんぶ言ってみ?」
あたしはコクリと頷いて、話し始めた。
「うちのお父さん、頑固で気難しい人でさ。
だからお母さんはいつも、頼れるのはあんただけって…
愚痴をこぼしたり、相談してきてたの」
でもそれは全然嫌じゃなかった。
あたしもお父さんが苦手だったし、大好きなお母さんに自分だけ頼られるのが嬉しかったから。
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