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パートナーズ!
『テヘへ、連れて来ちゃった。』
「連れて来ちゃったって…何を?何処に?」
画面の後ろで腰を抜かしてるお父様と目の下にクマを作ってるルシファーさんの顔が見えるんだけど…。
『ええとねぇ。だってケンタさんって、聖域にいるでしょ?って事は…神聖力とかが濃ゆい所じゃないとダメでしょ?
だからね、おじいちゃまやエバパパのお仕事部屋が一番だと思ってぇ。』
確かに…確かに…だけどね。どっからそんな情報を…。
『何言ってるの、パセランシードは皆アタシの分身みたいなものよ。その程度の情報…エッヘン!』
確かに…確かに…だけどね(ビックリし過ぎて同じ言葉を繰り返す。)
『あ、パパ。アタシ、すっかりポンと忘れてたけど、この姿でケンタさんに会ったのはじめてだわ。
ちゃんとご挨拶しておじいちゃま達に紹介しなくちゃ。
…なんで、ちょっと待っててね。』
ちょ、ちょっと待って!
「セラン!セラン!」
タブレットから出る私の声に、お父様がいち早く気が付いた。
…と、思ったら…画面いっぱいにお父様の顔が?セラン、いったい何をしでかしてるの??
『ア~アンクレェエットォオオ!!』
「は!はいっ!!」
『直ぐに此処に戻りなさい!』
「えー…今、ムリ。」
『パパ達、亜空間でユグさんの病気を治しに行ってるから直ぐには帰れないよぉ。』
セラン…確かにその通りだが、それを言ったらお父様は…。
『アーンクレット!お前は、殿下に庭師の真似を!!!』…ブチ…
あ?画面が真っ暗になった。
まあ、元々お父様にはタブレットを扱えないから、スイッチが切れたんだろう。
…と、呑気に構えていたのだけれど…。
…カチ…
『あー、繋がったぁ?んもう!おじいちゃまは、タブレットに触らないで!』
孫(実の孫ではないけれど)に叱られ、しゅんとする貴重なお父様の絵面、記録にとっておきたい。
『…で。ケンタさんも来たし、そっちの様子もおじいちゃま達に伝わるでしょ?なんならケンタさん、お仕事もできそうだし…。』
「ん?」
『これで安心して、アタシもそっちに行けるよね?』
「ん?いや、何言ってるの?アカンでしょ!」
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