夜空と涙

１、その春に

光り、あまりの眩しさに目を開けていられない。

眩しい。

その時、ﾊﾟﾀﾝと本が閉じた音を鳴らすと同時に光が消え、眩しさに開けれなかった目が少しずつ開けるようになってきた。

何だったんだ？
眩しかったと目を擦り、回りを見渡すと病室にいたはずなのに、図書室内の棚の前にいた。

…………………………………………はい？

思考が追い付かない。

私は、病室にいたはずだ。

確かに「ねぇ。」

確かに私は「ねぇってば。」

病室にいたのに。
思考が追い付いていないっていうのに誰だ。

振り替えれば中学生くらいの綺麗な顔立ちをした少年が私を見下ろしている。