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放心状態の私を少年が退かすように棚の間に入ってくると、どうやら少年は、そこで私が足と腕の怪我で動けないと思ったらしい。
「しょうがないな。」
と言いつつも、腰に手を回し、近くのソファまで連れていってくれる。
意外と優しいんだな。
そして去るかと思いきや本を持ってきて近くで勉強し始めた。
「ありがとう。」
そう伝えれば、直ぐに「別に。」と返した少年は、数学の問題集をカリカリと解き始めた。
私は、どうしたらいいのか分からず、とりあえず現状理解をしながら考え込む。
戻り方の話しは………。
『最初に思った願い事』
だったはずだ。だが、私は願ってないしな。
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