後日談

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 ううん。それは、伏せておいてもいいか。  民はみんな、ハーシェル王がなんで王様になったのか、今の混乱が、どうして起こったのかが、知りたいところなんだし。ユリゼラ様は民衆からの人気が高いけど、王様とどうやって知り合ったのかを不思議に思っているのは、民だけじゃなく貴族にも多い。  最初は、印象に残らないほど簡潔でいい。  そして物語は。  ハーシェル王が、城を出たところからにしよう。  ユリゼラ様との恋の話も、少し盛り込んで。  これがうまくいったら。  わたしはサクラ様のことも、書きたいのだけれど。  わたしに夢と前途を与えてくれたこの人こそ、心ない噂に悩まされている人だから。  でも今は、この世界を立て直そうと、辣腕を揮っていらっしゃる、王と王妃の物語を届けたい。  この世界の「今」に繋がる、出逢いの連鎖のような、始まりの物語を。  わたしはお約束に従って書いた紙を丸めると、新しい紙にペンを走らせた。  大地の世界、レア・ミネルウァ。  この世界を統べる王と王妃は、仲がいい。  いつか聞いてみたいと思っていたことが、図らずも叶ったので、いろいろな憶測を込みで、ここに記す。  ────この人たちの想いが、いつか多くの人の心に、届くことを祈って。 Fin.  
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