失恋

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そんなある日。 系列病院から移動してきたのが、当時28歳の西村俊介先生だった。 「長身でイケメンの医者」ということで、他の科の看護師や事務員さんまでもが見に来る人気っぷり。 確かにかっこいいことは認めるものの、それを自覚していて自信満々な感じがイヤで、私的にはあまり印象はよくなかった。 けれど。 梅雨が終わり、院内でさえ熱気を感じるような蒸し暑い夏の夜だった。 時刻は午前3時過ぎ。 1回目の巡回を終えた深夜勤の私は、ナースステーションでパソコンの画面と向き合っていた。 横羽総合病院の病棟看護師の勤務は3交代制で、日勤、準夜勤、深夜勤のシフトがあるほか、早出や遅出といった勤務もあり、毎月、その科の師長が前月に全員分のシフトを考えて出している。 担当患者さんの部屋毎に、AチームとBチームに分かれていて、夜勤では、各チーム1人ずつの看護師が勤務する。 今はBチームの看護師が巡回中で、ナースステーションの中は、Aチームである私と、その日当直の西村先生の二人きりになっていた。 お互い隣り合って、パソコンの前に座っている。
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